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チキンボーンを投げ込め

先ずは雑記より始めよ。

【シビルウォー:キャプテン・アメリカ】俺はスティーヴ・ロジャースなんて大っ嫌いだ【ネタバレまみれ】

=====ネタバレ、というか見た人にしかわからない話するので注意=====

 

 

 

 

 

 

 

公開日までうずうずして待ったシビルウォー:シビルウォー:キャプテン・アメリカ、今しがた終わったのでレビューさせてもらいます。レビュー記事なんて初めてだしよく一旦意味を反芻して、なんて言うけれど鑑賞から30分ほど経って3kmほど散歩してからもどうも治らないこの感情には意味があると思ったからレビュー書き残す。

 

 

 

スティーヴ・ロジャースなんて大っ嫌いだ。

 

 

 

ヒーローの定義なんて人それぞれだしその違いがあるからこういうVS系の映画なんて面白いのだろうけれど、「お互いの中に胸糞悪いモノを産んで反芻させる」という一点のみにおいてはこの映画は本当によくできているのだろう。原作読んでないけどそれだけはなんとなく理解できる。「悩むヒーロー」の映画は数あれど、こんなに「悩もうとしないヒーロー」の映画を見ることになるなんて。アーーー胸糞悪い。この一点に尽きる。

 

作劇という点においては本当に完璧だった。と思う。各陣営の言い分や動機、明かされていく謎やアベンジャーズを取り巻く環境の変化、、、一度きりの鑑賞でも無理なく、でも余すことなく頭に入ってくる情報量だったし、やっぱり大乱闘を描くアクションシーンはいつ見ても痛快だった。(せっかく機動力がウリのブラックパンサーとスパイダーマン呼んどきながら立体物の少ない開けた飛行場で戦闘すんのもったいねえなあとは思ってたけど、アントマンの巨大化と屋内戦闘がちろっとあったからどっちでもいいや)

 

 

だからこそ色濃く頭の中に残ったもの。「バッキーの罪を隠したスティーヴ・ロジャースの傲慢」。ここだけ本当にがっかりしたし、他がスッキリ鑑賞できた分ここだけずーっと心に残った。

人は悩むことを固辞していいのか?

今作のウリは「キャップとアイアンマンの苦悩」にあったと思うけど、正直スティーヴ・ロジャースは最後まで悩んでなかった。いや悩まないでいることが正しいと、最後まで盲目に自分を過信し続けたようにしか見えない。世の中のリーダーってみんなああなのか?高尚な精神てのはいいもんですねえ。

 

序盤に見せつけられたとは言えすべての人々に敬意を払い、悩みや価値観を共有し続けようとしたトニー。事実スティーヴ・ロジャースには妥協案を何度も持ちかけたし、計らい続けて最後に折れたブラックウィドウには頭の下がる思いである。

 

しかしあのスティーヴ・ロジャースときたら。俺みたいな根っからのいじめられっ子にはとても考えの及ばない思想をさぞかししてらっしゃるのであろうが、なんつーかあーいう「人を導くヒーロー」であり続ける努力って意味があるのかな。大義のためならば、高潔に振舞おうとする努力のためならば、秘密も許されるし、罪は恩赦されるんだろうか。アントマンをスカウトした時の「私も犯罪者だ」がバッキーの罪を知った上でのものなら、些か自嘲的すぎやしないか。その上であんな笑みができるのか。

 

 最後にバッキーの罪が暴かれた時、トニーの行動もスティーヴ・ロジャースの見立ても全てが無に帰した。お互いにやり場のない思いに崩れるしかなかった。

怒りのやり場を失ったトニー。それに応戦するスティーブ・ロジャース

なんでこの構図でスティーヴ・ロジャースにあんな力が出る?全くわからない。アイアンマンのメットの中から見たスティーヴ・ロジャースの目はもう正気じゃなかったように見えた。そしてキャプテン・アメリカは意味のない勝利を手にした。存在するのかどうかすらわからない大義を賞品に。

なんであの後崩れ去ったアイアンマンをあんな尺で見せた。なんでその後立つのもままならないローズを見せた。本当にあのシーンは二度と見たくない。あの虚しい勝利を手に入れたスティーヴ・ロジャースの心中を推し量る脳みそは僕にはないが、あのシーンんで強調されたのはただただ敗者の惨めさでしかなかった。ああこれはどちらかが勝者で、どちらかが敗者になるものだったと、くっきり見せるための映画だったのか。その意味はともかくとして。

 

 

付け加えてにはなるが「自由」に固執するあまり理性(ヴィジョン)の元を離れたスカーレット・ウィッチも、何か考え方をキッパリ二元論で決めたホークアイにも、悩むことの意義をもう一度考えて欲しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悩み続けた人と、悩むことを固辞した人。その差がヒーローとしての差なら、なんかバカバカしい。

 

 

 

 

 

 

 

とにかくいい映画であり、強く琴線に触れることは間違いないです。

あの時置き去りにしたヴィブラニウムの「曲がらない」盾を、より柔軟に、一人の人間としての素直さを手に入れたキャプテン・アメリカに握ってほしい。

以上